- 湿度の管理って、湿度計を見て終わりって思っていませんか?
湿度計を見て50%RHだから大丈夫と思っているけど、
実は全然求めている湿度でないのです。
例えば、
インフルエンザの予防に湿度を50%RHから60%RHにすれば大丈夫とか、
高温になれば大丈夫って言う人いますが、
実は熱帯でもインフルエンザが発生することがあるのです。 - 相対湿度は目安にはなりますが、
本当に求めるべき湿度は、絶対湿度でないと把握できないんです。 - 絶対湿度を理解することで求める相対湿度がわかれば、
必要とする湿度を得ることができるようになります。
本記事では絶対湿度を知ることができる湿度計について紹介しています。
- 絶対湿度がわかる湿度計を探している方
- 湿度について情報を集めている方
インフルエンザ流行に関する論文
季節性インフルエンザの流行 庄司内科小児科医院 庄司眞
・気温が低くて乾燥しているとインフルエンザの流行が発生する。
・熱帯でも湿度が低いとインフルエンザが流行する。
・1㎥あたり11g以上の水蒸気があればインフルエンザの流行はしにくい
・マニラ、バンコクは年間通して1㎥あたり17g以上の水蒸気がありインフルエンザの流行はない
2021年度にインフルエンザが流行らないのは、
ウイルス干渉かもしれないし、
皆がマスクして、手洗いして、消毒して、加湿しているからかもしれない。
知らず知らずインフルエンザの予防をしているからかもしれない。
絶対湿度
ここで1㎥あたり11gと記載していますが、これが絶対湿度です。
11g/㎥とあれば空気中1㎥あたり11gの水蒸気が含まれているということがわかります。
普段わたしたちが目にしている湿度計は相対湿度
相対湿度で表すと、中に含まれている水蒸気量は温度によって異なっている事が見えません。
下記表は、相対湿度と温度から絶対湿度を求めるための早見表です。
ウエザーニュース 絶対湿度早見表
この表からわかることは
例えば、50%の相対湿度における水蒸気量は
10℃の時は4.7g/㎥、
15℃の時は6.4g/㎥、
20℃の時は8.7g/㎥、
25℃の時は11.5g/㎥
が含まれていることがわかります。
ということは、寒いときには同じ50%RHでも水蒸気量が足りないので、
もっと加湿が必要であるとわかります。
逆に言うと、
インフルエンザの流行をギリギリ免れる11g/㎥以上の水蒸気量を含んだ相対湿度を求めると
10℃は100%でも無理、
15℃は85%、
19℃は70%、
20℃は65%、
21℃、22℃は60%、
23℃、24℃は55%、
25℃は50%
の湿度が必要であることがわかります。
つまり、単純に50%RHから60%RHの加湿だと喉の潤いにはいいかもしれませんが、
ウイルス感染予防にはなっていないかもしれません。
とくに20℃以下は確実に湿度が足りません。
70%RH以上になるとカビが発生します。とくに低温だとそれ以上空気中に水蒸気を溜め込むことができなくなるため、結露が発生し、カビの繁殖に適した状態になります。
25℃以上だとカビの繁殖は難しいです。が、光熱費が偉いことになるので、20℃から24℃の間で湿度を上手にコントロールする必要があります。
温度℃ | 相対湿度%RH |
18 | 72 |
19 | 68 |
20 | 64 |
21 | 60 |
22 | 57 |
23 | 54 |
24 | 51 |
25 | 48 |
計算上、上記表のような相対湿度にすれば、容積絶対湿度は11g/㎥以上になっています。
18℃では70%RH以上にしないと絶対湿度は11g/㎥に届かないため、カビ対策のためにも部屋の温度は最低でも20度以上にしましょう。
実際はセンサーの誤差や計算式の誤差があるため、絶対湿度は多少変化するので、この数値以上を目指して加湿をしてください。
環境温湿度計
日常的に絶対湿度早見表を見ながら必要とする湿度を求めることは難しいので、
絶対湿度を表示可能な湿度計を探しました。
絶対湿度を表示出来る家庭用湿度計が殆ど見当たらず、
唯一A&Dのくらし環境温湿度計3機種が絶対湿度を表示することができます。
この3機種、A&Dのくらし環境温湿度計は、乾燥指数計と熱中症指数計を合わせ持っています。
特に、乾燥指数計は、上記論文の庄司医師らの研究結果に基づいています。
この記事では3機種を紹介します。
環境温湿度計 ハンドブック
環境温湿度計 AD-5686 / AD-5687ハンドブック
A&D 熱中症指数計/熱中症指数モニター
AD-5686の精度は
25℃で±5%RH(30%RH〜69%RH)、
±10%RH(20%RH〜29%RH、70%RH〜90%RH)、
測定間隔20秒です。
絶対湿度と熱中症指数は温度、相対湿度から容積絶対湿度の計算をして表示しています。
誤差±5%RHとはどんなものでしょう
例えば相対湿度が60%RHとすると、誤差5%RHだと表示は57%RHから63%RHのどこかになります。
絶対湿度は温度と相対湿度から計算します。
くらし環境温湿度計と環境温湿度計の絶対湿度は、容積絶対湿度を計算しています。
容積絶対湿度は温度から飽和水蒸気量を求めて相対湿度を掛け合わせます。
例えば温度21℃で相対湿度60%RHだとすると
容積絶対湿度=217×(6.1078×10乗(7.5×25℃÷(25℃+237.3)))/(25℃+273.15)×60%RH÷100により11g/㎥となります。
誤差は5%RHなので容積絶対湿度は10.5g/㎥から11.6g/㎥のいずれかを表示します。
これを踏まえて、11g/㎥が安全と見るより、誤差を考慮して12g/㎥以上あれば安心と見ればよいでしょう。

単3電池3本がついています。



電池は単3電池3本入れます。
1年稼働します。

スタンドを引き出した状態

この状態からスタンドを引き出すのですが、

ここを引き出すと、電池の蓋が開いてしまいます。

こうやって下から見ると

この部分を引っ張る事でスタンドが引き出せます。

スタンドを引き出した状態

わたしだけなのかもしれませえんが、スタンドを立てるつもりが、これまで何度も電池の蓋を開けてしまいました。
モード切替のスイッチは、スタンドを引き出すと現れます。

乾燥指数モード
乾燥指数 警告表示
7.0g/㎥以下==>警戒
7.1〜11.0g/㎥=>注意
11.1g/㎥以上==>表示なし
熱中症指数モード
熱中症指数 警告表示
31.0℃以上====>危険
28.0℃〜30.9℃=>厳重警戒
25.0℃〜27.9℃=>警戒
21.0℃〜24.9℃=>注意
21.0℃未満====>表示なし
おまかせモード
21℃以上は熱中症指数表示、21℃以下は乾燥指数表示になります。
上限アラーム設定はできません。
乾燥指数モードの状態で「指数」ボタンを3秒以上長押しすると、乾燥指数の下限アラームを任意に設定できます。
ここで数値を指定するのでなく「AU」にすると、上記の表にある乾燥指数に従い、警告を表示するようになります。
数値を指定するとこの警告は表示せず、下限値を下回るとアラームが鳴ります。
通常は「AU」をおすすめします。

環境温湿度計 AD-5686 / AD-5687ハンドブック
乾燥指数は、12.3g/㎥のため、湿潤状態であるため、何も表示されません。

乾燥指数は、9.8g/㎥のため、やや乾燥状態であるため、注意と表示されています。

気温が低いと、11g/㎥越えを求めると湿度が高くなります。


温度が高いと、11g/㎥を超えていても湿度が低くなります。

乾燥指数は、7.0g/㎥のため、乾燥状態であるため、警報と表示されています。
アラーム音をON側にしているとアラームが鳴ります。

アラームを鳴らさない様にするには、側面のアラーム音をOFF側にします。


熱中症指数モードの状態で「指数」ボタンを3秒以上長押しすると、熱中症指数の上限アラームを任意に設定できます。
ここで数値を指定するのでなく「AU」にすると、上記の表にある熱中症指数に従い、警告を表示するようになります。
数値を指定するとこの警告は表示せず、上限値を上回るとアラームが鳴ります。
通常は「AU」をおすすめします。



A&D 熱中症指数計/熱中症指数モニター みはりん坊ダブル
AD-5687の精度は
25℃で±5%RH(30%RH〜69%RH)、
±10%RH(20%RH〜29%RH、70%RH〜90%RH)、
測定間隔20秒です。
絶対湿度と熱中症指数は温度、相対湿度から容積絶対湿度の計算をして表示しています。


取扱説明書、本体、ストラップ、リチウム電池2032が付属します。

電池はCR2032です。
3ヶ月稼働します。
電池蓋は開けずらかったです。
僕が不器用なのか1mm幅のマイナスドライバーでこじ開けました。

裏面にモード切替スイッチがあります。


乾燥指数モードの状態で「アラーム設定」ボタンを3秒以上長押しすると、乾燥指数の下限アラームを任意に設定できます。
ここで数値を指定するのでなく「AU」にすると、上記の表にある乾燥指数に従い、警告を表示するようになります。
数値を指定するとこの警告は表示せず、下限値を下回るとアラームが鳴ります。
通常は「AU」をおすすめします。

状態で「アラーム設定」ボタンを3秒以上長押しすると、熱中症指数の上限アラームを任意に設定できます。
ここで数値を指定するのでなく「AU」にすると、上記の表にある熱中症指数に従い、警告を表示するようになります。
数値を指定するとこの警告は表示せず、上限値を上回るとアラームが鳴ります。
通常は「AU」をおすすめします。

乾燥指数モード
乾燥指数 警告表示
7.0g/㎥以下==>警戒
7.1〜11.0g/㎥=>注意
11.1g/㎥以上==>表示なし
熱中症指数モード
熱中症指数 警告表示
31.0℃以上====>危険
28.0℃〜30.9℃=>厳重警戒
25.0℃〜27.9℃=>警戒
21.0℃〜24.9℃=>注意
21.0℃未満====>表示なし
おまかせモード
21℃以上は熱中症指数表示、21℃以下は乾燥指数表示になります。
上限アラーム設定はできません。
環境温湿度計 AD-5686 / AD-5687ハンドブック
乾燥指数は、9.8g/㎥のため、やや乾燥状態であるため、注意と表示されています。


7.0g/㎥を境に表示が注意から警報へと切り替わります。

乾燥指数は、5.1g/㎥のため、乾燥状態であるため、警戒と表示されています。

乾燥指数は、3.5g/㎥のため、乾燥状態であるため、警戒と表示されています。

アラームを鳴らさない様にする、側面のアラーム音をOFF側にします。

このストラップは、ストラップの穴を通すのが難しく、先端のコードが剥けてしまいました。
結局1mm幅のマイナスドライバーでなんとか引っ張り出せました。

参考)A&D 環境温湿度計(露点測定機能つき)熱中症指数計/熱中症指数モニター
AD-5685の精度は
25℃で±5%RH(30%RH〜69%RH)、
±10%RH(20%RH〜29%RH、70%RH〜90%RH)、
測定間隔20秒です。
絶対湿度、露点温度、熱中症指数は温度、相対湿度から計算して表示しています。


相対湿度と露点温度を表示

相対湿度と熱中症指数を表示

絶対湿度と露点温度を表示

絶対湿度と熱中症指数を表示

このAD-5685は、相対湿度、絶対湿度、熱中症指数、露点温度を見てご自身で判断できる方向けです。
設定した相対湿度、温度でアラームがなる機能と相対湿度、絶対湿度、露点温度、熱中症指数の最大値と最小値を記録します。
他の2機種は注意、警報などの表示がありますが、この機種にはありません。
環境温湿度計の使い分け
AD-5686とAD-5687の使い分けですが、AD-5686は家に据え置き、AD-5687は持ち歩くことをおすすめします。
AD-5687を持ち歩くことで、外出先で乾燥しているかを把握することができます。
精度
湿度計を設置して直ぐに正しい湿度は表示されません。
1時間後ぐらいを目処にとありますが、同じ製品を複数置いてみたところ、
安定するのは半日、値が揃ってくるのは1日置いた方がよいと思われます。
この事からもAD-5686は据え置きで使い、AD-5687は持ち歩きで使い
AD-5687はあくまで目安、精度を見るならAD-5686を据え置いて使用
更に精度を見るのであれば、testo社の湿度計などで確認することをお勧めします。
写真は一日以上置いてたので、測定値が揃っています。
右端は精度が高いため、少し低い値をだしています。
testo社の湿度センサーは静電容量式なのでAD-5686とAD-5687よりも精度はよいですが、定期的に校正をしないと正しい湿度を計測できなくなります。

エンペックス 季節性インフルエンザ感染防止目安温度湿度計
絶対湿度は表示されませんが、上記論文の庄司医師らの研究結果に基づいています。
TM-2584の精度は
バイマテリアル式EX湿度センサ
±3%RH(35%RH〜75%RH)








絶対湿度12g/㎥とほぼ安全圏内と表示しています。

針はほぼ安全圏内に入っています。
温度はデジタルもアナログも同じ様な感じです。
湿度はデジタルとアナログではセンサーの違いで異なります。

絶対湿度15.3g/㎥、23℃、75%RH

そのときの表示は、カビ注意を指し、針の交差は水色のほぼ安全を指し示しています。

こうやって見ると、デジタル測定器とアナログ測定器では、精度差がありますが、
アナログ測定器は常に青のエリアに針が入るように温度や湿度を調整してあげればよいのです。
まとめ
まとめ
湿度を管理することで、喉の痛み予防、肌乾燥予防、花粉飛散予防、ウイルス感染予防、ヒートショック予防、熱中症予防、カビ防止など得られる効果は大きいです。
ただし、インフルエンザ感染予防に50%RHから60%RHの湿度を与えたとしても温度が低いと湿度が足りず感染予防になっていない場合があります。
相対湿度でなく絶対湿度と温度から相対湿度を求めることで、インフルエンザ感染予防になります。
絶対湿度を表示出来る湿度計を求めることで理想とする湿度を手にすることができます。
:手頃な価格
:精度
:使い勝手
幸せになる人
- 絶対湿度を把握したい方
- 理想の湿度を求めたい方
A&D 環境温湿度計 熱中症指数計/熱中症指数モニターを購入した理由
- 庄司内科小児科医院 庄司眞 季節性インフルエンザの流行という論文を読むまでは湿度は50%RHから60%RHを保てば良いと思っていました。
ネットで出回っている記事のほぼ全てがそのような記述になってますから仕方ありません。
しかし、この論文を読むと絶対湿度で湿度を調整しないとインフルエンザ感染予防にならないということがわかり、絶対湿度を表示することができる湿度計を探すようになりました。
ネットには無数の湿度計が溢れていますが、絶対湿度を表示出来る物は殆どありませんし、この論文に従って開発された物も殆どなく、唯一このA&D環境温湿度計とエンペックスの商品ぐらいでした。
お勧めの理由
- 絶対湿度を把握することで、ウイルス感染予防に必要な相対湿度を求めることができます。
この記事では紹介した商品たち
商品一覧を表示してますので最安値を探せます。
商品一覧を表示してますので最安値を探せます。
商品一覧を表示してますので最安値を探せます。
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商品一覧を表示してますので最安値を探せます。
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